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BIM運用のコツ3

  • 執筆者の写真: OCHII JUNICHI
    OCHII JUNICHI
  • 2021年5月7日
  • 読了時間: 4分

みなさま、こんにちは。


今回は「BIMアレルギーの処方箋」です。


BIM導入後、少なくとも組織内の50%はBIMチームがこなすことが持続的運用のカギとなります。

BIMは設計プロセスの変更を伴いますので、案件数か所員数の過半をBIMで作業する状態にしなくては、プロセス変更が思うように進まないからです。

ここで肝になるのは、やはり人財育成です。


BIMの人財育成のフェーズに入ると必ず

・CADのほうが早い

・CADのほうが自由に図面を描ける

・決めることが多すぎる

・覚えることが多すぎる

・思うように描けない

・書き込めない

という声を聞くことになると思います。このようなBIMアレルギーにどう対応していくかで

組織内でのBIM活用度が大きく変わると思います。

 

まずは現状把握してみる

実は現状の実態が良くわかっていない。と言うことのほうが多いと思います。

BIM導入後の不満というのは、「現状の業務と比較して」なのですが、そもそも現状の業務が「良い」か「悪い」かを把握することによって、BIM導入後の運用に大きく貢献できると思います。


対処法1:過度な図面表現が無いか、どこまで表現するか決める。(目線合わせ)

1/50スケールならそれなりの表現がありますので、「それなり」を人ではなく事務所単位で決めることです。BIMテンプレートの作り込みにも影響しますので、しっかり議論しておいたほうが良いでしょう。

ポイントは必要以上の精度を要求しない。BIMで表現できる方法に置換する。という考え方です。


対処法2:設計フェーズでやること、監理フェーズでやることを決める。(業務の明確化)

「現場で決める」というワードを設計中によく耳にしたものです。結局、設計業務を先送りにしているにすぎず、結果的に多くの変更を生む温床になっているのではないでしょうか。

色でさえ、暫定でも構わないので設計フェーズで決めてしまい、施工中は純粋な設計図書との整合、建築基準法等関係法令の遵守と言うように業務を整理してください。

BIMではこの考え方で業務を進めないと、なかなかモデルが作り込めません。ラフプランを決めたら、同時に展開図が出来上がる文化です。CADでは不可能でもBIMではできますので、是非、この考えで進めてください。


ある程度モデリングと同時に、配管の梁貫通、躯体との干渉が分かってしまいますので、

メーカーは早期に決定し、変更しないほうが良いです。BIMになれると設計完了後、ほぼ施工図レベルのモデリング(こまかな表現はできていないが、クリアランス等は大部分が確認できている状態)になります。ペンディング事項が多いと進まないと言う意味がご理解いただけると思います。

 

変化を正しく認識する

BIMでの業務が一体何なのか。を明確に表現することで「今までの経験が邪魔する」を極力最小に留めてください。


対処法3:図面は副産物であり、あくまでモデルが主体という本質のアプローチ

BIMアレルギーの声はすべて間違いではありません。ただし、正解でもありません。

BIMアレルギーの根幹は「図面を描く」という意識から生まれます。マネージャーもこの意識が強いとモデルの作成が疎かになり、BIMの一貫性が損なわれる事態になります。


対処法4:CADとBIMを比べない。

CADとBIMを比べるのは、電車と車を比べるようなものなのですが、BIM導入初期は軽自動車と乗用車を比べるような感覚でCADとBIMを比べてしまいます。

別カテゴリーのもので、別の物と意識してください。どちらが良い、悪いではありません。

そもそもですが、CADは図面を描くためのツールです。

一方、BIMは Building Information Modeling が示すとおり、情報を盛り込んだモデルを作るソフトであり、図面を描く為のソフトではありません。

意外と思われるかも知れませんが、設計の経験が豊富な方ほど、誰かにこの事を明言してもらわないと、長く意識を引きずってしまう傾向にあります。


 

いかがでしょうか。

ドラフターからCADへの変化と、CADからBIMへの変化は大きな違いがあります。

ドラフターからCADへの変化は、ツールの置換ですが

CADからBIMへは、業務の変更がともないます。さらに、作り上げる物が図面ではなく、情報化モデルです。


タイヤでレールの上を走ることが無いよう、BIM導入時には正しい情報と意識が必要でしょう。正しい情報と意識が、BIMアレルギーを抑える一番の対処法となります。

よろしくお願いいたします。




 
 
 

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