BIM運用のコツ2
- OCHII JUNICHI
- 2021年4月30日
- 読了時間: 4分
みなさま。こんにちは。
今回は「BIMにスイッチ」する方法についてです。
まず、BIM運用を失敗しないための重要なポイントがあります。
「BooT.one」と言うアドオンを導入することです。
いきなり、アドオンの話になって恐縮ですが。。。
BooT.oneはアドオンとファミリ、テンプレート、教育動画がセットになっていますので
導入、運用する上で大きな助けとなります。
BooT.oneの最もおすすめポイントはテンプレートが整備されていると言う点です。
Revitの初期設定では日本仕様のテンプレートになっていません。
ですので、カスタマイズしていく必要があるのですが、これはなかなか労力を使います。
(真面目にやると、年単位の時間を要します。
また、Revitにかなり成熟していなと、まとまりません)
BooT.oneは主に髙取昭浩さんが大成建設にお勤めの頃から10年あまり継続して整備されたものですので、十分すぎるほど日本仕様にカスタマイズされています。
他にも、モデリングガイドラインや研修用動画、何より、アドインにより、大幅に作業工数が削減できると言うメリットがあります。
私がRevitを使い始めの頃はBooT.oneはありませんでした。
安井建築設計事務所のテンプレートを使用していました。これもとても良いテンプレートだったのですが、BooT.oneはアドオンと相まって、Revitを別の次元に昇格させています。
BooT.oneを導入しただけで、BIMの運用が完遂するのは80%約束されたようなものです。
BooT.oneがあっても、なくても
BooT.oneが有れば非常に心強いですが、予算の関係で導入できないこともあるでしょう。
(持続的な運用を目指すなら、よほどのことがない限りBooT.oneは導入すべきです)
Revitでの運用に関して考え方は共通ですので、運用のコツについてお話していきます。
Revitでも、すべてのデータが連携するわけではありません。
逆に言うと連携するものをBIMで作成し、それ以外はCADやExcelを使用しても良いのです。
重要なのは、プロジェクトのフェーズでBIM,CADの棲み分けを考えるのではなく、
作図する図面、データの特性によって棲み分けるという考え方です。
では、どのような特性で分けるかというと、BIM内で連携するものとしないもの、という分け方が最も扱いやすい分け方です。
【連携するデータ群】(モデルとして実態のあるもの)
1群 平面図、屋根伏図、立面図、断面図、展開図、平面詳細図、天井伏図
建具配置図、建具姿図、配置図、外構図、申請図
2群 矩計図、階段詳細図
【連携しないデータ群】(モデルとして実態がない、データとして書き込む)
3群 案内図、現況図、耐火リスト、建具共通仕様書、雑詳細図、メーカー図
4群 材料表、仕上表、建物求積図、室別求積図、建具表
5郡 特記仕様書、ALVS計算表
上記データ群に分類した場合、
1群は比較的容易にBIMのみで作成することができます。意外に多くの図面がBIMで容易に作成できるのではないでしょうか。また、設計の最終フェーズにある図面も多く存在すると思います。特に、展開図は必ずBIMで作成するのが良いです。
2郡はBIMになれてくると十分、BIMで作成可能です。
なれない間は、BIMで作成したい断面、立面を作り、CADに出力・編集を行うと言う方法で対応します。ただ、煩わしいのですぐにBIMでやるようになります。
3郡は連携しませんがBIMに取り込むだけで、データとして1つにまとめれますので、BIMにまとめてしまっても良い図面です。
4郡はテンプレートを作り込むと、連携する図面関係(BooT.oneでは連携できます)。自力でここまで作り込むのはそれなりの労力が必要ですので、まとまった時間をカスタマイズにとれない場合は、無理にRevitでやらないで良いと思います。
5郡はBooT.oneをもってしても連携しません。純粋なテキストデータですのでBIMで書いてもCADで書いてもExcelでも良い図面です。
この様に、データを分類していくとBIM運用の方向性が見えてくるのではないでしょうか。
まずは1群をBIMにスイッチする事をおすすめします。
これだけでかなりの業務改善になるはずです。
段階的に2郡、3郡とBIMにスイッチしていきましょう。
BooT.one導入時の留意点
BooT.oneを導入した場合、全てBIMで作成することができるのですが、3群、5群に関しては本質的に変わりません。また、事務所の作図規則と異なる等の問題があると思いますので、一度内容を確認の上、運用方法を決められるのが良いと存じます。
私の実体験では、事務所の作図規則をBooT.oneに合わせるほうが早いです。
今回は、
・BooT.oneの導入がおすすめ
・BIM化する図面を分類し、ハードルの低いものからBIM化しよう
という内容をお話しました。
次回は「BIMアレルギーに対する処方箋」をお伝えいたします。
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